スキー・スノーボード用グローブの選び方


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はじめに

今回の記事では、スキー・スノーボード用のグローブ(手袋)の選び方を解説します。

グローブは、量販店や通販サイトでは無数に商品が並んでおり、価格もピンキリなので、結局はフィット感と予算で決めることになると思います。

しかし、ある程度の機能の目途をつけていないと、グローブ選びで多大な時間を費やすことになるので、基本的なグローブの性能については事前にある程度知っておくとよいと思います。

形状

スキー・スノーボード用のグローブには大きく3種類の形状があります。

5本指型

ロブスター型(人差指だけ分離)

ミトン型

ここで、グローブの形状から言えることは、操作性と保温性の反比例です。

ミトン型、ロブスター型、五本指型と指が隔離されるにつれ、保温性能は落ちますが、操作性は上がります。

まず、スノーボーダーの場合、手先を使うのはビンディングを触る時くらいですから、あまり操作性は関係なく、好きな形状のものを選べばよいかと思います。もっとも、ミトン型はおしゃれで暖かいですが何かと不便なので、最初はロブスター型や5本指型にしておいた方が無難かもしれません。

スキーヤーの場合は、ストックを持つのでミトン型を使用する人はあまりおらず、ほとんどの人が持ちやすさを考慮して五本指型かと思います。もっとも、フリースキーヤ-にはロブスター型を使用する方も多く、実際五本指じゃないと困るレベルの操作性はレジャースキーヤーレベルでは不要かもしれません。

グローブの構造

グローブも、分解すると多層構造をしていますが、ウェアと同じようにレイヤリングの思想が当てはまります。

つまり、外気に触れる側では防風性と防水性が求められます。内側にダウンなどを使用して保温性を高めても、外側の防水性と防風性が低くて、冷たい風や雪などがグローブ内部に侵入してきては、保温性が低下します。

特に、雨・雪といった水分が浸透してきてグローブ全体が湿ってしまうと、保温性は台無しになりますから、外側の防水性は非常に重要な性能となります。

次に内側ですが、外側で防水防風を達成したら、後は、肌の近くの体温によって温められて空気をできる限り保持することが重要ですから、ダウンやフリースなどの細かい繊維が絡まった素材で内部に動きにくい空気層(断熱層)を作ることが重要となります。

なお、保温性が高ければそれでよいのかと言えばそうではなく、暖かいだけだといずれ蒸れてきますから、汗の水蒸気を外部に放出する透湿性が内側・外側を通じて必要となります。

つまり、求められる機能の概略は下記のようになります。

では、上記のような、防水・保温・透湿性という機能をどのようにグローブは達成しているのでしょうか。

現在のスキー・スノーボード用の高機能グローブは4つの素材からなる4層構造をしていて、具体的には、以下のように、外側から、表地、機能性フィルム、断熱材、裏地の4つからなります。

現代のグローブにおいて、一番重要なのは機能性フィルムと言って良いと思います。

機能性フィルムの代表格がゴアテックスです。ゴアテックス素材というのはいろいろあるのですが、基本的にはゴアテックスというのはフィルムのようなシートです(及びそれがコアとなる様々な素材シリーズ)。

このシートこそが、外からの水の侵入は防ぐけど内側からの水蒸気は放出するという、高い防水性と高い透湿性を両立します。しかし、衝撃や摩擦には弱いので、革などの表地でゴアテックスを保護します。

なお、内側にゴアテックスフィルムがあれば水は絶対に侵入してこないのかと言えばそんなことはなく、表地が濡れれば徐々にその防水性も破られます。したがって、表地はデザイン等の制約もありながらも、防風防水性の高い素材を使うのが通常で、防水性は表地と機能性シートを合わせて評価されます。

そして、裏地では、化学繊維の起毛素材やフリースなどを使用し、肌の近くの空気を保持して保温しつつも、肌から排出される汗の水蒸気を外部に放出しようとします(これが天然繊維だと肌触りは良いものの、吸湿性が高く水分を保持しやすいのですぐ蒸れてしまう)。

さらには、グローブ内部に、ダウンやプリマロフトなどの断熱素材(繊維が絡まった素材で空気の対流を防止し暖かい空気が保持される)を入れて保温性能を高めています。

グローブというのはこのような構造をしています。

素材について

表地

表地の素材としてまず挙げられるのは革です。

革の一番の特徴は、対物理衝撃性能です。自動二輪(バイク)の免許を持っている人は知っているかもしれませんが、バイクでは、転倒して手が引きずられるような事態が想定されることから、できる限り革のグローブをするように言われます。

したがって、スキーやスノーボード用のグローブでも、レーシングモデルは、当然革製グローブの人気があります。

しかし、そういった耐衝撃・摩擦性能以外を考えると、革である利点というのはそれほどありません。

まず、水に弱いので、手を雪に着くことが多い初心者スノーボーダーに革の手袋は基本的に勧められません。

スキーヤーの場合、手が雪に触れることは多くないので革でもそれほど問題はないと言えます。そして、革の保温性能は高いと言えます。また、使うにつれて馴染んでくるという革ならではの魅力があることも確かです。

しかし、防水性が低い、メンテが大変、高価というデメリットを考えると、革のグローブその物に魅力を感じてあえて革製グローブを選ぶという選択になるかと思います。

そうはいっても、量販店で革製の高価なグローブを見ると、高級感あふれるものが多く、やはり惹かれます。

また、高級グローブでは、手の甲側が防水性の高い合成繊維で、手のひら側は耐久性・操作性を考慮して革製のものもあります。

いずれにせよ、レジャーレベルのスキーやスノーボードでは、強い耐物理衝撃性能はそれほど必要ありませんから、デザインや高級感から革製が欲しいとかでなければ、合成繊維製のものがリーズナブルかつメンテが楽でお勧めです。

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機能性フィルム

ゴアテックス製であれば基本的に間違いないと言えます。

もっとも、各メーカー独自開発の素材もゴアテックスに追いつていないとはいえ(一部追いついた?)、ゲレンデレベルでは十分な性能を持っていますから、ゴアテックス以外だと、一気に性能が落ちるといった時代は終わっています。

ゴアテックスがお勧めなのは間違いないとしても、それ以外についても、防水性と透湿性の数値を参考に決めるのがお勧めかと思います(この後のセクションで目安を書いています)。

なお、性能という観点で捉えた場合に、表地と機能性フィルムは一体で評価されます。

断熱層

断熱層の素材としてはダウンが挙げられます。

保温性で言えばダウンが抜群に高いです。しかし、水を吸いやすく透湿性は劣ることになります。

つまり、あまりダウンが多いものだと、暖かい反面、蒸れやすいです。

このダウンの水への弱さを克服するために開発された撥水性人工ダウンともいえる素材がプリマロフトです。

プリマロフトだと、ダウンに準じる保温性を維持しながら高い透湿性を誇るためにお勧めです。しかし、やはり高機能素材だけあって高価となります。

安い製品では、ダウンでもプリマロフトでもなく、ポリエステルなどが使われていますが、やはり保温性は落ちます。

もっとも、ここにも、新素材はたくさんあり、実際に手を入れてみて判断するのがベストです(蒸れそうかどうか、暖かいかどうかは、直感である程度判断可能)。

裏地

裏地の目的はまず空気の断熱層による保温ですから、起毛やフリースといったものがほとんどです。

起毛やフリースの素材自体については、透湿性を考慮した化学繊維のものがほとんどだと思います。つまり、メーカー各社が工夫を凝らしており、カタログスペックでは判断できないところなので、実際に感触を確かめて決めるのが一番かと思います。

保温性は、この内側にどれだけの断熱層(手の周りの空気層)が維持されるかにかかっていますから、試着したときに寒そうだと感じたものは避けた方が良いでしょう(これはフィット感と表裏一体)。

防水性と透湿性の目安

ゲレンデでのレジャースキー・スノーボードを前提とする限り、防水性と透湿性の目安は大まかですが下記のようになると思います。

詳細は下記関連記事を参照ください。
防水性、透湿性、撥水性そしてゴアテックス

防水性の目安

耐水圧5,000mm以上が最低限ライン
耐水圧10,000mm以上が推奨ライン
耐水圧20,000mm以上が盤石ライン

<有名素材>
ゴアテックス: 45,000mm

5,000mmが最低ラインと書いておいてなんですが、グローブの外側に関しては何かと濡れることも多いので10,000mm以上をお勧めします。

透湿性の目安

5000g以上が推奨ライン
8,000g以上が盤石ライン

<有名素材>
ゴアテックス: 13,500g

なお、透湿性に関しては上記は本当単なる目安。寒いときのことを考慮して暖かいグローブを選ぶと思うので、晴天時の昼間や春スキーではどうしても蒸れると思います(ゴアテックスでもグローブは蒸れる時は蒸れると思います)。また、登山と違い食堂で休憩中は脱げるし、リフトに乗ってる間に外すことも可能。なので、そんなに数字にこだわらなくても良い気もします。

サイズの選び方

グローブのサイズについては、下記日本手袋工業組合の説明が参考になります。

手袋のサイズは左手(右手)親指の第一関節とほぼ同位置にある生命線の始点と、小指の付け根と手首を結んだ線の、手首から3分の1の距離を結んだ手の平の周りの長さを、センチメートル単位で表したものです。

参考図

日本手袋工業組合HPから転載

それに従うとサイズの目安は下記のようになります。

男性
S:~22cm
M:~24cm
L:~26cm

女性
S:~18cm
M:~20cm
L:~22cm

もっとも、どのメーカーが上記の目安を順守しているかは定かではありませんから(特に海外メーカー)、実際には試着して決めるのが良いかと思います。

フィット感

冬用のグローブで一番重要なことは、ややゆとりのあるものを着用するということです(それがジャストサイズ)。

保温性を決めるのは、内側のフリースや起毛素材に含まれる空気層(断熱層)ですから、手をグローブに入れた結果、ぴったり過ぎてその空気層がつぶれるようだと、グローブの保温性能は低下してしまいます。

また、キツイと指先の血行も悪くなって余計に寒く感じることになります。

指先に1cm位余裕があるのが適切なサイズです。

グローブのサイズはそれほど大きな差があるわけではなく、1サイズくらい違っても手は入ってしまいますが、きついサイズを選ばないように注意する必要があります。

安いグローブ

最近では、通販サイトをはじめとして、高機能にもかかわらず、非常に安価なグローブが売られています。

安くても高機能素材を使用したグローブも多いです。しかし、安いグローブと高いグローブの差は素材ではありません(素材は、化学繊維メーカーの高機能素材を使うだけなのでスポーツメーカーごとの差はあまりないと言っても過言ではありません)。

値段が安い分、縫製等が悪い(もしくは品質管理が不十分で外れに当たる)可能性が高く、耐久性が期待出来ない点が一番大きな違いです。少しの使用などで縫製がほどけたりする可能性がありますが、その隙間から雪や風が侵入してくると、高機能素材の持つ性能は無意味になってしまいます。

また、安いグローブだと、手の型がかなりルーズになっていて、肌や指先との隙間が大きすぎて保温効果が低い場合も多いです。

つまり、スキー・スノーボード用グローブは、高機能素材を複数組み合わせてできている以上、縫製の丁寧さや品質管理が最終ファクターとして重要なカギを握っていますので、素材やカタログスペックだけで品質が決まるわけではないことに注意が必要です。

しかし、ハズレにさえ当たらなければ、防水性や温かさの面で、困るような事態になる性能のグローブは今はほとんど売られていないです。

年に数回程度なら安い製品で全然十分ですし、転倒しまくる初心者の場合、高価なグローブでも絶対に濡れます(ゴアテックスでよかったなんてことにはおそらくならないと思います)。なんだかんだ言いながら最初は安いのがおすすめです(個人的に初心者が最初からいいものを買った方がよいと思うのはミッドレイヤーのフリースのみ)。

実は私も、昨シーズン中にグローブをなくしてしまって、スキー場の売店で売っている、聞いたこともないし後からネットで検索しても出てこないブランドのグローブを買う羽目になりました(見るからに安物の割には非常に割高な値段でした)。

ちょっと形がルーズだなと思いますが、保温性も防水性もまったく困っておらず、今のところ買い替える予定なしです(なお、もともと私はインナーグローブ持っているので、それ込みでの暖かさの評価ですが)。

まとめ

防水性・透湿性に関してはゴアテックスが間違いないといえますが、最近のライバル素材の追い上げもすごいですから、入手可能であれば数値を基準に決めるのが合理的かもしれません。

保温性については、フィット感も重要で、カタログスペックだけからは判断できないので、可能であれば実際に手を入れて決めるのが良いと思います。

サイズやフィット感としては、ぴったりするものではなく、指先が1cmくらい余る程度のものがジャストサイズ。

いろいろ言いつつも、最初は安いもので十分(かなり安くていいものが出回っている反面、高価な製品が高すぎる)。

おわりに

グローブを買おうとすると、店舗でも通販でも、商品数に圧倒されますが、ある程度の目途はカタログスペックから選べるようにしておくと、効率的に選べるかと思います。

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