スキー・スノーボード用ヘルメットの選び方


はじめに

今回の記事では、スキー・スノーボード用のヘルメットの選び方を説明します。

昔と異なり、今やヘルメットの着用率は過半数に迫ろうとしており、実際にゲレンデに行ってもヘルメット着用者は多くなりました。

子供は100%近いのではないでしょうか。

特に、若いスノーボード上級者の多くがヘルメットを着用をしているせいか、ファッション面においても全くカッコ悪いということがなくなりました。

そんなスキー・スノーボード初心者必須のアイテム、ヘルメットの選び方です。

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ヘルメットのメリット

スキー・スノボ―ド用ヘルメットを選ぶにあたって、まずヘルメットのメリットとデメリットを整理しておく必要があります。

安全性

ヘルメットのメリットは、安全性の一言につきます。

ゲレンデで滑っているスキーヤー・スノボ―ダ―は、競技レベルのスピードや限界ギリギリの低姿勢を取りませんから、猛スピードで頭から地面に突っ込むという怪我は想定しにくいです。

その一方で、混雑するゲレンデで、他の人に突っ込んだり、突っ込まれたりすることはあるかもしれません。

その場合に、頭と頭がぶつかるのが一番危険で、スピードが大して出ていなくても頭同士の衝突は極めて危険です。

しかし、ヘルメットさえしていれば、ゲレンデのコース上では、そこまでスピードが出ていませんから、大抵の場合軽症で済みます。

そういう意味では、レジャースキーヤー・スノボ―ダ―の安全に取って非常に重要なものです。

保温性

意外と知られていないのですが、ヘルメットの2つ目のメリットに、暖かいということがあります。

ヘルメットの場合、頭全体が耳まで含めてぴったりと覆われますから非常に暖かいです。しかも、帽子と違って、ずれてくるといったことはありません。

さらに、ヘルメットはプラスチック製で当然水なんて通しませんから、雪が降っている時でも、濡れて水が頭に染みてくるということはありません。

このように、ヘルメットは、実は快適性という点でも非常に優れています。

また、着脱が面倒と思っている方も多いかもしれませんが、かぶって顎ひもを止めるだけです。しかも、顎ひもを結んだりするようなことはなく、ワンタッチで着脱や調整ができるようになっています。

ヘルメットのデメリット

もっとも、ヘルメットにはいくつかデメリットがあります。

ウェアとの相性

まず、ゴーグル、ネックウォーマー、フェイスマスクとの相性が出てしまいます。もちろん、よく選べば全く問題はないのですが、ヘルメットが、それら頭部への装着物を制限するのは確かです。

例えば、フェイスマスクではなく上げれば口元まで隠せるタイプのネックウォーマーで吹雪以外は乗り切ろうという人も多いかと思いますが、厚手の暖かいタイプのネックウォーマーだと、耳とヘルメットの間へのおさまりが悪くて、少しイライラするかもしれません。

また、フェイスマスクも、ものによっては、ヘルメットと相性が悪いものだと、ヘルメットのせいでずれてきたり、フィット感がいまいちになったりするので、フェイスマスクとヘルメットの相性をしっかり確認する必要があります。

ゴーグルも、ヘルメットを先に買ってからゴーグルを買えば問題ないですが、既にゴーグルを持っている人が新たにヘルメットを買う場合には、自分の頭に合ったヘルメットを選ぶのに加えて、そのヘルメットの上からしっかりゴーグルが着用できるヘルメットを選ぶ必要があります。

かさばる

個人的にこれが一番のデメリットです。

ヘルメットは持ち運び時に非常にかさばります。

ヘルメット使用者は、板・ボード以外の荷物を全部入れるバッグとして、ブーツがかさばるスキーなら55L、ブーツが小さいスノーボードなら50Lがギリギリ最低限の大きさかと思います。

これだけはどうしようもないのですが、スキーバッグをすでに持っている人は、ヘルメットを新たに買うことで、バッグまで新調する必要が出るかもしれません。

以下具体的な選び方を見ていきます。

安全性の確認ポイント

安全性基準

ヘルメットは、安全のために被るものですから、まず最初にそのヘルメットが持つ安全性を確認します。

具体的には、安全性基準として、アメリカのASTM、ヨーロッパのCEという基準があります。

したがって、必ずそれらのロゴ(最低でもどちらか)がヘルメットに記載されていることを確認します。

これらの基準をクリアしていれば、安全性は問題ないと考えて大丈夫です。

2つのモデル

スキー・スノボ―ド用ヘルメットには大きく分けて2種類の製品があります。

「レーシングモデル」、「フリースタイルモデル」です。

レーシングモデルというのは、その名の通り猛スピードを出す競技選手が着用するもので、耐衝撃性が高められています。

もっとも、高い耐衝撃性を実現しつつも、軽量性や通気性に配慮しているため結果的には高価なものとなっています。

フリースタイル用は、ゲレンデの一般スキーヤー・スノーボーダー用のヘルメットです。

ゲレンデレベルで求められている安全性を維持しつつ、快適性や軽量化を試みているタイプで、レーシングモデルほどの強度はありませんが、程よい価格の一方でゲレンデレベルでは十分な性能となっています。

もっとも、フリースタイルモデルにも、いわゆるフリースタイルの選手を想定したような徹底的に軽量化を図った高価なモデルもあったりしますが、それを分け始めたりするとメーカーごとに様々な区分が出てきてしまうので、2種類としました。

レーシングモデル以外から、予算に合ったものを選べばよいかと思います。

快適性の確認ポイント

パッドの洗濯

快適性という観点からは、インナーパッド及びイヤーパッドが取り外せて洗濯できることが重要です。

スキーやスノーボードでは、気温が大きく変わる朝から夕方にかけて、標高の高いところと低いところを同じ格好で行ったり来たりしますから、昼間などは結構汗をかきます。

ヘルメットの内側にインナーキャップをかぶらずに直接ヘルメットをかぶる場合、インナーパッドやイヤーパッドが着脱可能なものを選ぶとよいと思います。

ベンチレーション

ベンチレーションというのは、ヘルメットに付けられた開閉可能な通気口のことです。

暑い時には、ベンチレーションを開けると風が流れてだいぶ快適になりますから、有ったほうが良いと思います。

開きっぱなしでは真冬は寒いですが、春スキーの昼間などはこれが無いと頭が熱くて蒸れてくるので結構必須な機能だと思います。

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サイズの確認ポイント

必ず試着

ヘルメットメーカーにも日本製と海外製があります。

そして、日本人(アジア人)と欧米人では頭蓋骨の形が違いますから、ヘルメットの内部形状にも差があります。

上から見た時に、日本人はまん丸に近く、欧米人は縦長の卵型なので、ヘルメットの形状もそのようにデザインされています。

もっとも、では日本メーカーのものを選べば海外製より自分の頭にフィットするのかと言えば、そうなる可能性は高いかもしれませんが、頭の形は千差万別ですから、そんな単純には行きません。

実際には、メーカーどころか、モデルごとに形状は異なると思ったほうがよく、一つ一つ試着して自分の頭に合ったものを選ぶ必要があります。

そして、試着する時に、ネックウォーマーやフェイスマスクをすでに持っている人は、それらをつけた上でヘルメットを試着してみて、既に持っているグッズを買い直さなくてよいように準備万端で試着するのがお勧めです。

滑っていてずれてくるようなものは安全どころかかえって危ないので、頭全体にしっかりとフィットするヘルメットを選ぶことが重要です。

なお、有名メーカーでは、SWANSは日本メーカーで、GIROは海外メーカーですがアジアンフィットモデルと呼ばれる商品があります。

BOA装備の有無

BOAというのは、微調整機構のことで、ヘルメットの内側周囲にワイヤーが入っていて、ヘルメット後頭部側にあるダイヤルを回すとワイヤーが少し締め付けられ、フィット感が増すという機構です。

これがあるとフィット感がぐっと増しますので、できればあったほうが良いです。

そして、BOA機構のついているものは、BOAで締めてぴったりとフィットさせるものですから、BOA搭載のヘルメットをなんとなくで試着して、やや大きいと思って棚に戻さないよう注意が必要です。

試着したときには、BOAをしっかり締めた状態でのフィット感を確認する必要があります。

ゴーグルとの相性

ゴーグルはヘルメットの上から装着するのが一般的です(内側にする人もいます)。

ヘルメットの上からゴーグルを装着してみて、ヘルメットだけでなくゴーグルのフィット感にも問題がないか確認する必要があります。

ヘルメットが大きすぎて、ゴーグルのバンドが伸びきってしまうと、ゴーグルがぶかぶかになってしまうので注意が必要です。

また、ゴーグルをヘルメットの上から装着したときに、ゴーグルがヘルメットにしっかりとはまることも重要です。

ヘルメットには通常、後頭部のところにゴーグルを固定化するパーツが付いていますから、実際に保有しているゴーグルを持参して、しっかりとゴーグルが固定されるかどうかを試すのがお勧めです。

なお、相性的には、ヘルメットとゴーグルを同じメーカーでそろえてしまうのが一番です。

ゴーグル一体型ヘルメット

最近はゴーグル一体型ヘルメットも人気です。

これは、デザイン的にもカッコいいものが多いので人気なのも理解できます。

しかし、どうしても目の周りの一部に隙間ができてしまうといか、そもそもその隙間でゴーグルが曇らないようにしているのもあって、吹雪時には対応していません。細かい雪が普通に侵入してきます。

したがって、一体型を購入するのであれば、吹雪いた場合には、付着しているゴーグルをドライバーで外して、上から別のゴーグルをして滑る準備が必要です。

私は眼鏡を使用しているので非常に惹かれるのですが、外国人のように1週間くらい滞在して、吹雪いた時には滑らないで部屋で飲んでるなんていう過ごし方をする人達用かなという気がします。

まとめ

ヘルメットは安全性の観点だけでなく、快適性の観点からも優れているので、快適性もしっかりと確認してから購入するのが大事。

安全性にとっても快適性にとっても頭部へのフィット感こそが重要なので、必ず試着して決める。また、ゴーグル、フェイスマスク、ネックウォーマーといった頭部に装着するアイテムとの相性を確認してから購入するのがお勧め。

終わりに

今回は、スキー・スノーボード用ヘルメットの選び方を解説しました。

ヘルメットは、上述したように安心感を高めるだけでなく、持ち運ぶとき以外は非常に快適なアイテムなので、しっかりと選んでから購入することをお勧めします。

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