Contents
はじめに
今回は、スキー・スノーボード用ゴーグルの選び方を解説します。
ゴーグルは、購入しようと量販店に行くと、そのラインナップの多さに圧倒されるアイテムの一つです。
そして、安いセール品から、高価なハイテク製品まで価格差も非常に大きいです。
ある程度候補を絞った後の細かい差は店員に尋ねるとしても、性能の差について大まかな知識が無いと、多大な時間をゴーグル売り場で費やすことになります。
フィット感は実際に試着しなければわかりませんが、レンズの色、絶対にはずせない機能と、有れば便利的な機能については、事前に押さえておくのがお勧めです。
フィット感
まず、自分の顔にフィットするものを選ぶことが最重要です。
こればかりは試着しないとわかりませんから、店舗でいろいろ試着して試してみるのがお勧めです。
そして、ヘルメットを着用する方は、ゴーグルとヘルメットの相性がありますので、ヘルメットを決めてから、ゴーグルをきめる必要があります。通常ヘルメット側に、ゴーグルを固定する仕組みがありますから、それに適合することが重要です。
ゴーグルのゴムバンドが伸びきってしまうような装着感だと、すぐにゆるゆるになってしまいますし、ゴーグルがしっかりとヘルメットに固定できるものがお勧めです。
曇り止め加工
曇り止め加工というのは、レンズの内側にされる加工なのですが、要するに水分を保持して、曇りの発生を防止する機能です。
この曇り止め機能に関しては価格によって差があると考えて問題ないです。
曇り止め加工がしてあるから曇らないではなく、曇り止め加工次第でどれだけ水分量を保持できるかが決まるため、安いゴーグルは曇り止めがしてあってもそれなりの効果しかないと思っておいた方が良いでしょう。
つまり、予算が決めると言っても過言ではありません。
レンズの色
以下、レンズの色の特徴について説明しますが、最初に買うゴーグルであれば、ピンク・オレンジ系が無難でお勧めです。
オレンジ・ピンク
オールマイティな色で、一番幅広い天候に対応可能です。快晴時には太陽光を弱めるとともに、ナイターや吹雪の時でも視界が確保されます。もっとも、快晴時には他のレンズと比べるとやや眩しくなります。
グレー・ブルー
オレンジ・ピンク系に比べて、暗い分だけ光の透過率が落ち、快晴時には快適な反面、悪天候やナイターの時は暗くなります。もっとも、色が自然なため、目が疲れにくいという特徴があります。
ミラー
晴天用のレンズ。快晴時には非常に見やすいですが、悪天候やナイター時にはかなり視界が悪く装着しない方がよいです。悪天候時には雪面の凹凸なんかはほとんど見えません。
眼鏡使用者
ゴーグルのモデルごとに眼鏡対応か否かははっきり書いてありますから、眼鏡使用者は眼鏡対応のゴーグルから選ぶようにします。
もっとも、眼鏡対応だからと言って、どんなメガネの形状にも対応しているわけではないので、必ず試着してから最終決定します。
また、私が眼鏡使用者なのですが、最近流行りの軽くて柔らかいフレームの眼鏡をしている人は要注意です。ちょっとゴーグルがずれただけの微弱な圧力でメガネフレームが曲がったりずれたりしてしまうので、ゴーグルの中にするメガネはある程度の硬さのあるフレームが良いと思います(眼鏡側の問題)。
球面レンズか平面レンズか
球面レンズというのは材料を型に流し込んで最初から硬い球面形レンズを作ります。一方で平面レンズは平らで柔らかいフィルム上のレンズを折り曲げて作ります。
したがって、球面レンズは硬くて衝撃に強い反面、フィット感も硬いです。一方で、平面レンズの場合はフレームも柔らかくフィットしやすいです。
他には、球面レンズの場合は、レンズと顔の間の空間が広いので曇りずらくかつ圧迫感がないのですが、眼からレンズが遠いので、レンズは大きいのですが視野が狭くなります。他方、平面レンズだと、レンズと眼が近く、圧迫感があって曇りやすいのですが、レンズが眼から近い分視野は広くなります。
また、製造コストの面から球面レンズの方が高価となります。球面かつダブルレンズにもかかわらず安価なゴーグルは、外側は球面でも内側が実は平面レンズだったりして、視界がゆがむので、安価のものを買うなら平面レンズがお勧めです。
正直、球面か平面かは一長一短で、各メーカーそれぞれの短所を補うような工夫をしていますから、できる限り安価で抑えるというのでない限り球面か平面かの2択で決めることは難しいです。
フィット感とデザインで決めればよく、それで困ることはないと思います。
必須機能
UVカット
まず、UVカットレンズでない製品は論外です。
目を守るためにゴーグルをするわけですが、真っ白な雪から乱反射して大量に目に注がれる紫外線をカットする機能だけは必須です。
もっとも、UVカットじゃないゴーグルはなかなか売ってないと思います。
ダブルレンズ
これは、レンズを2枚構造にすることで曇りにくくしています。
レンズは外気に冷やされるのですが、顔側は体温によって温められた空気がありますから、その温度差が原因でレンズが曇る(結露する)ことになります。
そこで、レンズを2枚にして、間に空気層を作ることで、大きな温度差が生じないようにして曇らないようにしているわけです。
このダブルレンズかシングルレンズかという違いは実際には非常に大きな差で、気温が低くなった時などシングルレンズはすぐに曇ってしまうので、ダブルレンズをお勧めします。
高級機能というよりは無いと困る機なので、予算が許す限りあったほうが良いです。
便利な機能
調光レンズ
これはUVEXなどが出している高機能モデルに搭載されるレンズで、太陽光に含まれる紫外線の量に応じてレンズの色が変わる機能です。
つまり、調光レンズ搭載というのは、まさに全天候型の万能ゴーグルとなります。もっとも、その分高価です。
レンズの色であれこれ悩んだり、コンディションに応じて変えたりするのは面倒という人には(実際には見づらいなんて言いながら1個でやりくりしますが)、お勧めです。
偏光レンズ
これは、一定方向からの光を通さない加工です。
スキーやスノーボードでは、太陽光が雪面に乱反射することで四方八方から光が入ってくることで眩しくなります。
そこで、乱反射光に特有の変な角度からの光を通さないことで眩しさやぎらつきを軽減する機能です。
有って困る機能ではないので有るに越したことはありませんが、特に無くて困る機能ではありません。まさに高級モデルの機能です。
ゴーグル一体型ヘルメット
最近はゴーグル一体型ヘルメットも人気で、ラインナップも一通り出そろった感じがあります。
しかし、ゴーグル一体型ヘルメットは、ゴーグルと顔の間に必然的に隙間ができ、悪天候時には、細かい雪が普通に侵入してくるので注意が必要です。吹雪いた場合には、一体型ゴーグルを外して、上から別のゴーグルをして滑る用意が必要です。
眼鏡使用者には魅力的に映るかもしれませんが、外国人旅行者のように1週間くらいスキー場に滞在して、吹雪いた時には無理して滑らずにホテルで過ごすといった余裕のある過ごし方をする人達用とも言えます。
まとめ
スキー・スノーボード用のゴーグル選びにおいては、フィット感が一番大事なので、できる限り試着して決めるのが重要です。
UVカットは当然として、曇りやすいものは非常にストレスになるので、ダブルレンズはほぼ必須の機能だと思います。
レンズの色は、迷ったらオレンジ・ピンク系が全天候万能型としてお勧めです。
おわりに
量販店に行くと無数のゴーグルがありますから、圧倒されてしまいますが、フィット感と必須の機能さえ押さえておけば、後は予算次第と言えます。
関連記事
スキー・スノーボード用ヘルメットの選び方
スキー・スノーボード用グローブの選び方