Contents
はじめに
この記事では、自分やお子さんがスキー教室やスキー合宿に参加するけど、ウィンタースポーツをあまりしないため、必要な持ち物がよくわからない人向けに持ち物を解説する記事です。
スキー・スノボ初心者用の持ち物リストは下記の記事でも書いているのですが、自分でそろえようとしている方を前提にしたので、今回は、レンタルを利用することを前提で、残りを最小限で済ます場合を想定して解説します。
スキー・スノーボード旅行に初めて行く人用の持ち物チェックリスト
レンタル出来る物と用意する物
自前でそろえるウェアやグッズについて解説する前に、まず、レンタル出来る物と出来ないものを一覧にしておきます。
レンタル出来る物
スキー板
ストック
ブーツ
スキージャケット
スキーパンツ
自前で用意する物
中間着(フリースなど)
インナーシャツ
インナータイツ
帽子かヘルメット
ゴーグル
手袋
ネックウォーマ―
リフト券入れ兼財布
なお、ゴーグルなどの小物類はレンタルできる場合もあるのでそこは個別的に要確認。
ウェア類
スキーやスノーボードをする際、極寒地を除き、ウェアは上半身3枚、下半身2枚が基本となります。
そして、一番外側に着るアウター、いわゆるスキージャケットやスキーパンツはレンタルできるので、その下に着るものが自分で用意する持ち物となります。
なお、詳細は下記の記事に書いています。
スキー・スノーボードウェアの選び方1:レイヤリング(重ね着)の基本
重ね着の基本
まず、簡単にスキー時の着こなしの基本を解説します。
レンタルできるスキージャケット及びスキーパンツはの一番の役目は内側に雪と風が入ってこないようにすることです。
スキージャケットというものは、それなりに暖かいのですが、それほど厚地ではありません。
なぜかというと、スキーは結構体力を使いますから、滑っている時に体は発熱するので、外側からの雪と風の侵入を防いで内側を密閉すればそれだけで十分暖かいからです。
そして、レジャースキーの場合、冬山登山と違って休むときは暖かい食堂に行けるので、そこまで防寒性は気にしなくて大丈夫です(寒さを感じるのはリフト乗ってる時くらい)。
その一方で晴天時などは結構汗をかくので、分厚いジャケットを着て汗を吸って、夕方以降汗冷えすることこそむしろ透けるべき事態となります。
したがって、内側に着るものも、暖かいのは当然としても、暑いときにどう調節するか、具体的には汗をどう処理するかが大事となってきます。
中間着
理想:アウトドアブランドのフリース
十分:ユニクロなどの普段着フリース
可能:ジャージ、セーター、タートルネック
上半身の中間着の基本はフリースとなります。
ダウンはお勧めしないです。薄手でも避けた方が無難。
ダウンは暖かい分、汗を吸うと非常に速乾性が低いので、初心者だと昼間に夢中で滑ってたくさん汗かいて、夕方以降冷えてきたときにかなり悲惨なことになります。
また、ダウンを着なければいけないようなかなり寒い場所(高地)に初心者が行くことは想定しにくいです。
一番理想的であるアウトドア用のフリースというのは、比較的薄手で速乾性を高めているのですが、部位ごとに複数の素材を組み合わせたり、立体裁断で体にフィットすることで保温性を高めている商品です(速乾性の高い機能性素材と縫製が凝っている分価格が高い)。
その反面、基本的にスキージャケットなどのアウターで風や雪から密閉された内側で着ることを前提としているので、アウターとしての機能はほとんどありません(秋で晴天時のハイキングとかには便利ですが、保温性だけみれば日常用に高いお金出して買ってもユニクロとかより全然寒く、防風・防水性が低いです)。
その点、ユニクロのフリースなどの日常用のフリースは、暖かさを優先しているのでモコモコして暖かすぎるのと、汗を吸ったときの速乾性が低いので(運動時レベルの汗は想定していない)、大量の汗を吸ってしまうと中々乾かず汗冷えするので、アウトドア用のフリースと比べると次点ということになります。
(なお、アウトドア用の機能性フリースは、各ブランド厚手から薄手まで数種類出しているのが通常で、さすがに最薄手タイプだと悪天候時などは寒いかもしれないのでラインナップの内、中間くらいがおススメです。)
とは言え、ファスナーがあれば、暑いときはファスナーを開けて調節すればよいので、そこまで困りません。
そいういう意味では、ジャージでもいいのですが、ジャージを中間着にする場合は、寒い場合を想定して下着を二枚重ねする前提の方がよいと思います。
セーターやタートルネックでも天候がマッチしてれば困るとはないのですが、運動しながら汗をかき、しかも昼と夕方で大きく気温が異なるゲレンデで、ファスナーが無いのはやはり少し問題があります(状況に応じて調整できることが重要)。
なので、セーターやトレーナーで済ませる場合は、冬山だからといって厚手の物を一枚持っていくのではなく、少し薄手の物を2枚用意して、寒かったら重ね着するというのがよいかと思います。
完璧を期すならPatagonia R2が鉄板。
上半身の下着
理想:スポーツ用冬用コンプレッション
十分:ヒートテックなど
微妙:長袖Tシャツ
下着の役割は汗を吸ってそれを外に蒸発させること。
綿のシャツのように、肌触りが良くそこそこの保温性はあっても、汗を吸ってそのまま濡れたままでは汗冷えしてしまうので、速乾性が重要です。
インナーがびしょびしょになって汗冷えするのはウインタースポーツでは最悪の事態です。
ヒートテックなどは、速乾性素材とうたっていますが、日常レベルの使用を想定していて(水蒸気としての汗)、運動時に出る量の汗(液体の汗)は想定していないので、汗の放出が追い付かず、やはり汗冷えの恐れがあります。
したがって、機能性化学繊維を使った、冬用の裏起毛で暖かいけど、速乾性の高い、スポーツ用のコンプレッションウェアを買うのがおすすめです(冬山登山のように極寒だと、保温性が全てに優先するのでメリノウールが有力候補になってきますが、レジャーレベルの雪山なら休憩は食堂なので化学繊維がベスト)。
しかも、今はだいぶ安く手に入るようになりました(アンダーアーマーなどに比べるとフィット感含めいろいろと性能がやや落ちるのですが十分な機能の物が出回っています)。
もっとも、安くなったとはいえ、Teslaなどの1000円くらいの商品だと、価格の割に保温性や速乾性は素晴らしいのですが、結構薄手なので、寒がりの人や冷え性の人だとやや保温性が足りないかもしれません。
寒がりの人にとっては肌に触れるインナーが重要なので、アンダーアーマーのコールドギアなどの本格的なウインタースポーツ用のインナーを買うことをお勧めします。
ヒートテックやピースフィットは上述したように運動時レベルの汗は想定していないため速乾性に問題があるのですが、晴天時には上着のファスナーを空ければ冷たい風が入ってくるため、汗まみれになることはそんなにないので、まあ大丈夫です(そういう意味では晴天時を考えるとなんでもいいのですが、問題はそこまで寒くないけど降雪している時)。
もっとも、寒がりの人などで厚手のインナーを切る場合に、ウルトラヒートテックなどのような、日常用インナーの厚手タイプは避けた方が無難です。
速乾性の無い生地を単純に厚手にしただけの素材なので、速乾性が極めて低く、汗をかく状況には最悪です。
厚手インナーを着る場合には、上述したようなスポーツ用インナーがおススメです。
綿の長袖Tシャツは、中間着やアウター含めて全体の重ね着と外の気温が合えば問題ないですが、やはり汗まみれになる可能性があるので、「可能」としました。
寒がりや冷え性でない限りTeslaやExioで本州は大丈夫。
個人的な一番のおすすめは、最大手フェニックス社のアウトラスト。
下半身の下着
理想:スポーツ用冬用コンプレッション
十分:ヒートテックなど
下半身は、本州の範囲であれば、寒波が来たりしても、スキーパンツ+アンダータイツの2枚で対応可能です。
したがって、冬用の裏起毛のコンプレッションを1枚持っておけば十分です。テスラで問題なし。
なお、ヒートテックとかでも大丈夫ですが、厚手を1枚よりは、薄手を2枚持って行って、場合によって2枚重ねとした方がよいと思います。
裏起毛のタイプが一枚あれば大丈夫(予備で2枚重ね用にヒートテックくらいは持って行った方がよいかもしれませんが)。
靴下
靴下は専用の厚手の靴下があると快適ですが、なければ普通のロングタイプの靴下を2枚重ねて履けば何の問題ないです。
プロテクター
スキーの場合プロテクターは基本的に不要。もちろんあっても困らないし、すると安心だし、なにより暖かいので下半身のプロテクターをするのは個人的にかなりおすすめですが(この場合インナータイツ不要)、必要かといわれると、不要だと思います。
なお、スキーではなくて、スノボの場合は下半身のプロテクター、通称ケツパッドは絶対に必要。
小物類
小物類としては、帽子・ヘルメット、ゴーグル、手袋の3点はほとんどのケースでレンタルできないので、自前でそろえる必要があると思います。
帽子・ヘルメット
いまどき、おしゃれな若者含め、中上級者のほとんどがヘルメットをしているので、ニット帽ではなくヘルメットをかぶるのがおすすめ。全然ダサくないです。
もっともヘルメットは、メーカーごとに頭の形が異なるので、実際に試着して決める必要があります。
頭の周囲の長さをサイズの目安にしている表示もありますが、店舗であれこれ試着して買っている私の経験として、試着しないで買うのはかなり危険だと思います。
なお、ヘルメットを買わない場合はニット帽をかぶるのが基本で、一番寒いのは耳なので、そこのケアだけ忘れないように。
ゴーグル
まず、ヘルメットを買う人は、ヘルメットの上からゴーグルを着用するので、しっかりはまることが重要で、店舗で買う場合はまずヘルメットを選んでから、ゴーグルを選びます。
ゴーグルはUVカットが絶対。雪や風から目を守るのではなく紫外線から目を守るためにゴーグルは装着するものです(曇りでも降雪時でもします)。
UVカットさえついていれば、ゴーグルは安物でも全然平気。
ダブルレンズだと2枚のレンズの間の空気層が、体温と外気の中間くらいの温度差になるため曇りにくいです。
球面レンズと平面レンズは好みの問題なので(高価な商品でも、どっちが優れていると言い切れないものなので、ここは好みの問題)、デザインとかフィット感で決めればよいです。
低価格商品と高価格商品の差で一番大きな差は、曇り止めの長持ち度なので、数日間なら安物で全く問題なし(廉価の中華製買って初期不良に当たる可能性はさておき)。
なお、レンズ色が重要で、知らない人には意外かもしれませんが、ピンクやオレンジが万能型で一般的(ここは譲らない方が良い)。
ミラータイプは曇天時や降雪時にはよく見えませんし、薄いグレーとかは晴天時は目が大変なことになるので要注意。
手袋
手袋も、昔と違って今は安いものでも、ほとんど問題ないです。
2000円位で十分いいものが買えます。
手袋も外側は防水だけど、内側からの汗の水蒸気は放出してムレないようにするのが重要なのですが、それを担っているのは、手袋の中に入っている機能性フィルム。
そのフィルムは手袋メーカーではなく、3Mなどのハイテク素材メーカーが作っているわけで(ゴアテックスが一番有名)、それを仕入れて作るのは今の時代は簡単。
安いと何が異なるかというと縫製の一言。
高い手袋は、手にフィットするように細かく成型されていますが、安いものは形がルーズで隙間が比較的大きいのでその分暖かくないです。
また、雑な縫製が一番問題で、転んだら破けてしまったというようなハズレに当たる確率が高いことが一番の問題。
ハズレに当たらなければほぼ問題なし。
個人的には、ピッタリというよりやや大きめをかって、薄手のインナー手袋をするのが暖かいし快適でおすすめです。
ネックウォーマー
これもあった方がよいというか、ないと天気が荒れたときに困ります。
スキージャケットが首元まで覆うのでその内側に何らかの布をいれてスペースがなくなればそれで問題がなく、保温性を重視して厚手のマフラーなんかを持っていくとかえって困るかも。
また、寒いときには口元まで覆えることが重要で、そういう点では、ネックウォーマ―というよりフェイスマスクが一番のおすすめ。
リフト券入れ
これは必要。
もっとも、スキー時に意外と困るのが現金の管理なので、リフト券だけ入れて腕に巻く薄型タイプではなく、財布を兼ねるものを買うのがおすすめです。
リフト券は係員に見せる形式のリフトがまだ主流なので、腕に巻いても腰につけても問題なく、どっちもできるタイプの小物入れが個人的には一番おすすめ。
白馬エリアなど、ICチップタイプのリフト券も増えていて、それらはリフト乗り場入り口のゲートでピッとやるのですが、電車の改札と違い、肩くらいの高さにピッとするセンサーがあるので、腰につけていると結構不便とも言え、色んな所につけられる方が便利です。
持って行った方がよいもの
スマホケース
これは絶対にあった方がよいです。
普段はむき出しの人や折り畳みタイプのケースに入れている人も、滑り終わったら液晶がバキバキに割れていたなんてことがないように、かっちりと全体を覆う衝撃吸収タイプをつけていった方がよいです。
モバイルバッテリー
これもあった方がよいです。
雪山は寒いのでバッテリーの減りは早いですし、スマホの充電が切れるのはいろいろと面倒(なのに必ず切らす人がグループに出てくる)。
もちろん、大容量の物など必要なくて、超小型でいいからポケットに入れておくと安心。
バンドエイド
ブーツで靴ずれを起こす可能性があるので用意した方がいいです。
カイロ
寒がりの人は背中に一枚貼るだけで暖かいです。
日焼け止め
女性は必須。
リップクリーム
これも必須。
ビニール袋
いろいろと濡れたものが登場するのがあった方がよいです。